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日本の醤油 ―その源流と近代工業化の研究―
横塚 保 著
A5版 272頁、上製、ISBN4-906472-71-0
定価:本体2000円

※申し訳ありませんが本書は好評につき完売いたしました。

著者はキッコーマンで醤油の研究とその近代化に貢献した人物である。温厚な中にも信念は強く、日本の醗酵業界をリードしてきた。日本の醤油がいかにして、西欧諸国に受け入れられたかなど、詳しく知ることが出来る。特に醗酵などの食品業界に関係する人にとっては、得難い書物である。

著者紹介:
大正6年7月4日、韓国ソウルに生まれる。
昭和16年 東京帝国大学農学部農芸化学科卒業。
同年三菱商事株式会社に入社。
翌年から兵役、軍務陸軍主計大尉で終戦。
復員後野田醤油株式会社(現在のキッコーマン(株))に入社し、中央研究所長、常務取締役、製造本部長などを歴任した。現在は同社顧問。
またその間、東大農学部講師、農林省の各種委員、日本醸造協会副会長など、関係各種団体の役員をするなど、醸造界にに貢献している。
研究分野では醤油を中心に日本農芸化学賞、紫綬褒章など受賞多数。
アメリカIFT. Fellow、農学博士。

著者まえがき:
醤油や味噌の原型は、約3000年前に中国で発明され、日本には1500年前に伝えられ、改良を重ねて、約350年前に今日のような醤油と味噌に分れて基本的製造法が成立しました。
中国の伝統的醤油は、中国南部では豆油とも呼ばれます。
日本を代表する醤油は、「こいくち」と呼ばれるもので、これに似た色の淡い「うすくち」もあります。
日本のこいくち醤油は、250年前に、浮世絵や陶器と共に欧州に輸出されて絶賛を博しました。
明治になって西欧の科学的学問が導入され、日本の醤油製造は、微生物学的、化学成分的研究や、製造機械化などの点で著しい進歩を遂げましたが、それと同時に、もろみ加温法による短期醸造醤油や、脱脂大豆の塩酸分解法によるアミノ酸液で、醸造醤油を増量した低品質の醤油が造られるようになり、さらに第二次大戦で原料の大豆小麦が欠乏し、醤油は大量の塩水を加えて需要にこたえねばなりませんでした。
戦後の復興で、日本の醤油は約10年かかって漸く戦前に近いものになりましたが、それでも速醸醤油やアミノ酸液を加えたり、化学保存剤その他の添加物の多い商品が氾濫しておりました。
日本の醤油は、私が1965年に初めてアメリカのFDA(食品薬品局)を訪ねた折には bug juice(昆虫の汁)として嫌われていると言われましたが、キッコーマンが社運を賭して1972年にアメリカ、ウィスコンシン州に最新鋭の工場を建設し、アメリカ人によりアメリカの原料で最高品質の日本の醤油が造られ、営業マン達は、まずスーパーや野外パーティで醤油を使って焼肉をして、その香りで顧客を集めてアメリカの醤油市場を開拓してゆきました。良い醤油の香りや調理加熱でできる火香は、口に入れなくても、離れたところからアメリカ人の味覚をそそりました。アメリカ工場建設以来、海外事業を主導してきた現キッコーマン茂木友三郎社長によれば、今ではアメリカの4割の家庭に「日本の醤油」がおかれるようになりました。これには大豆連続加圧蒸煮機、麹の自動通風培養機、醤油もろみの連続圧搾機その他、世界に例を見ない醤油独特の製造機械を創造したキッコーマンほか日本のエンジニア部門の方々の貢献も忘れることができません。
本書は、私が多くの優秀な共同研究者と共に日本の醤油の世界商品化に向けて行ったありのままの記録であります。ここにこれを可能にして下さいました恩師、諸先輩、親愛なる私の共同研究者、研究援助者並びにこれを支えて下さいました日本中の醤油研究者の皆様に対し、衷心よりの感謝と御礼を申しあげる次第でございます。

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