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生命と富の構造―生物学的経済原理
千木良 正機 著
A5版 320頁、ISBN4-906472-73-7 C3030 2000E
定価:本体2000円

著者は医師ではあるが、哲学と遺伝学に詳しい。
遺伝子は人類の発生にかかわる重大な問題を含んでいる。存在そのものに係わる科学を、人類の経済活動に応用し、理想とすべき経済理論を展開する。
まさに、二十一世紀のマルクスといってもいいかも知れない。

著者紹介:
昭和27年生まれ。群馬大学医学部卒業後、ハーバード大学医学部研究員を経て
群馬大学医学部講師となる。現職、群馬県心身障害者センターに勤務
腫瘍学から科学哲学に至る独自の領域を考究し、実存的自我と自己認識についても現在生物学に基づいて新理論を提出している。
既刊として、『自己と自我』『生物学的断簡』『無意味の意味』(ともにライフリサーチプレス)

著者まえがき抜粋
二十一世紀の劈頭に立つ我々は昏迷の中を漂流している。…(中略)…二十世紀を貫流した経済学の出発点に過誤があったと疑うのは当然であり、非人間的な経済原理そのものに対する見直しが求められるであろう。
本書は伝統的な経済学に対して部分的な変更を行おうとするのではなく、独自の生物哲学の立場から経済社会の原理に迫ろうとする試みである。…(中略)…経済の基本要素を生物哲学に沿って再検討することを目指したい。とくに貨幣象徴の淵源を心理学ではなく生物哲学に求め、それを遺伝子進化の原理から導きたい。
第一章では崩壊しつつある市場原理に関する幾つかの疑問点を挙げ、これらから財の価値と価格の問題に至る道筋を望見したい。
第二章では経済人類学が明らかにした論点を踏まえ、原始社会における財の移転が交換ではなく贈与として始まることを明らかにし、贈与が交換へ移行する過程について触れたい。
第三章では伝統的な貨幣論を交えて交換可能性と貨幣について論議し、財の数量化とは何かを整理したい。
第四章では貨幣を仲介とする財の交換から使用価値(効用)について議論し、財の使用価値と市場価格は無関係なことを示す。
第五章では自然選択進化論に基づく社会進化論が誤謬に過ぎないことをしめす。これによって財貨の贈与および相続が生物学的な根拠を持つことが明らかとなろう。この贈与構造は利己的遺伝子仮説から導かれるものであり、遺伝子進化の根本原理に根差していることを、遺伝子進化の中立説の立場から検証しよう。
第六章には敢えて民族、国家、共同体に関する生物学的な考察を挿入する。伝統的な経済学という領域から逸脱するかもしれないが、経済という領域も社会あるいは共同体の一部に過ぎず、社会学的な視点によって経済の全体像が照射されるからである。近代経済学が主張してきた数学的単純化が全てではなく、部族的社会におけるアニマが近代国家の象徴に変容する過程を描き出さなければ、貨幣象徴の果す役割が示せないからである。
第七章では最初に近代共産主義が掲げた人為的な共産制を批判し、雇用労働の組織化が反自然的な過程であることを指摘する。
第八章では自由と社会に関する基本的関係を明らかにし、現代社会が直面する無秩序と全体主義の問題に迫りたい。
参考書籍:ドーキンスの「利己的な遺伝子」および「延長された表現形」、木村資生の「分子進化の中立説」、拙著「無意味の意味」(ライフリサーチプレス)、吉沢英成氏の「貨幣と象徴―経済社会の原型を求めて」、ヒックスの「経済史の理論」、菱山泉氏の「近代経済学の歴史」。正村公宏氏の「経済学の学び方」。森嶋通夫氏の「思想としての近代経済学」、都留重人氏の「経済学入門」、橘木俊詔氏のライフサイクルの経済学、ポラニーの「大転換」、岡沢憲芙の「スウェーデンの挑戦」、アグリエッタの「資本主義のレギュラシオン理論」、シューマッハの「スモールイズビューティフル」、小此木啓吾の「家庭のない家族の時代」

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