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骨髄移植の看護(Bone Marrow Transplant Standards of Nursing Care)
ハッチンソンがんセンター 著
浅野茂隆 ほか監修
王伯銘 ほか訳
A6、310p \2,718

ハッチンソンがんセンターの看護の実践から生まれた体系的看護マニュアル。42項目の詳細な標準的最新看護規準は骨髄移植だけではなく、あらゆる看護の指針として日々の具体的看護の在り方を示す。

序文
骨髄移植の看護についてほぼ20年の経験をもつフレッドハッチンソンがん研究センターでは、その経験を通じて蓄積したきわめて豊富な知識をこれまで口頭で受け継いできました。おびただしい職務について必要な処置を文章にしたものはありましたが、移植ユニットで用いられる基本的な看護技術、看護計画、アセスメント、看護介入を体系的に記載したものは全くありませんでした。このため、看護業務を標準化し、看護の専門知識を記した包括的で分りやすいマニュアルの編集が待たれるようになりました。
これまでの経験を振り返りカルテを綿密に調べることによって、われわれが接した骨髄移植患者の共通の体験の中から、42の問題が編集されました。そして看護の標準について、問題ごとに検討を重ね、フレッドハッチンソン骨髄移植看護基準が出来上がりました。42の”問題リスト”の重要性を十分理解頂くために”フレッドハッチンソンのカルテ作成方式”について以下に簡単に説明いたします。
移植患者に関する問題を参考にしながら、修正された看護基準に基づき、患者個々に関する問題点を検討します。看護上の多様な診断に基づいて個々の問題を見いだし、その結果、移植患者の全問題が提起されます。患者の身体機能と活動力についてアセスメント用紙に記録した後、”問題リスト”を参照します。”問題リスト”にしたがって番号を付けた問題を看護記録に記入します。記述は看護の各時間帯に生じた患者の問題に基づいて行います。標準化された問題リストは、フレッドハッチンソンのカルテ作成方式の要となり、また”骨髄移植の看護基準”を完成させるための基礎をなしています。
フレッドハッチンソンの骨髄移植看護基準は、移植ユニットで期待される看護の基準を文書として実証することを意図して生まれたものであり、実際の看護にあたってベテラン看護婦を支援するとともに、新人を指導する助けとして役立てることができます。各看護基準は、PO(problem oriented)方式によって問題に潜む原因をつきとめることからはじめ、次に「期待される結果」で具体的な目標を掲げ、続いてその目標に適した詳細なアセスメントと看護介入の概要が述べられています。多くの看護介入は骨髄移植特有の理論的解釈を踏まえたものです。
看護基準は身体の組織系統で編成されており、種々の看護上の診断と個々の患者の問題に基づいています。移植片対宿主病のような医学的診断はその身体器官に関する患者の問題として取り上げられています。移植関連の問題は重なりあっていることが多いため、関連項目が前後参照できるようになっています。
看護基準の記述に用いた骨髄移植関連の言葉や略語についての用語集、さらに基礎資料として参考文献を付け加えました。骨髄移植の看護は専門分野としては比較的新しく、したがって看護介入の詳細を含む資料はそう多くありませんが、骨髄移植に関する参考資料は可能なかぎり利用しました。この本で述べられている看護介入の中には、当センターの移植ユニット独特なものがあり、それらは長年の臨床経験と専門知識から開発されたものです。
この看護基準の内容は当センターの標準看護基準として認められています。これらの看護基準を総合的に実行することで看護婦達は患者の看護にあたっての役割を広げることができるようになりました。すべての患者がここに述べたすべての症状を発現するわけではなく、また述べられているすべての看護介入を必要とするわけでもありませんが、すべての看護基準はそれぞれの患者に合わせて適応されなければなりません。プライマリーナースは個々の看護介入について評価判断し、一人一人の患者に何が適切かを決定する最終責任者です。われわれはこれらの看護基準が、骨髄移植にかかわるすべての看護婦にとって、広範な指導者となり価値ある情報源となることを確信しています。

セス アイゼンバーグ 公認看護婦 骨髄移植看護スペシャリスト
リンダ マラシチ   公認看護婦 骨髄移植看護スペシャリスト
フレッドハッチンソンがん研究センター

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